めはじき  :  シソ科

万葉名 土針(つちはり) 


わが屋前(やど)に 
生ふる土針(つちはり) 
心ゆも 想はぬ人の 
(きぬ)に摺(す)らすな

万葉集 7-1338
 

我が家の庭先に生えている土針よ(恋しい人よ)。(染料になるからといって)心から想ってもいない人の衣に染まられないでくださいよ。
目移りしないで私の方だけを見ているよう恋人を戒めています。
 


めはじき       養老の滝
奈良近辺ではなかなか見つからなかったのですが養老の滝への道で出会いました


 


 


野原や道端に生えるしそ科の2年草。茎は四角で直立し高さは1.5mに達する。
夏から秋にかけて淡紅色の唇の形の花を数個集めて、段状につける。

めはじきは目弾き の意味で、子どもが茎を短く切って瞼に張り目を開かせて遊んだことに由来する。
葉は緑色の染料として使われ、果実は産前産後の薬とされることから、益母草(やくもそう)の漢名があるなど、
万葉人の生活に根をおろしていたと思われる。


岐阜県養老町東海自然歩道にて